東京海上ホールディングスが、なかなか驚く発表をしました。
1株を15株にする株式分割と、株主優待制度の新設。
15分割ですよ、15分割。2分割や3分割なら「買いやすくするんだな」くらいですが、15分割となると話が違います。
2026年8月25日の終値7,408円を基準に単純計算すると、分割後は1株約494円。
100株買うのに70万円以上必要だった東京海上HDが、理論上は5万円ほどで100株買える銘柄になります。
ラテマネーで東京海上HDが買えることになります!
そもそも私と東京海上HDの付き合いは、決して順風満帆なスタートではなかったからです。
2025年11月、KDDIを売って東京海上HDを100株にした
私が東京海上HDを単元株化したのは、2025年11月です。
資金を作るために売却したのが、旧NISAで保有していたKDDIでした。
KDDIも配当を出してくれるし、長期で持っていてもいい銘柄です。
それでも当時の私は東京海上HDに魅力を感じていて、「100株まで持っておきたい」と思いました。
そして、ちょうど決算発表の直前で決算にも少し期待していました。ところが市場というのは、こちらの都合では動いてくれません。
決算に対する相場の反応は、私が期待していたようなものではなく、株価は下落。一時は、5万円近い含み損。100株で5万円ですから、なかなかのものです。
旧NISAのKDDIを売ってまで買った直後にこれ。「KDDI、そのまま持っていた方がよかったんじゃ……」と考えましたね、当時は…。
5万円の含み損でも、売ろうとは思わなかった
理由は単純で、そもそも短期で売るために買った株ではなかったからです。新NISAで購入していましたし、買った当時でも配当利回りは約3.5%ありました。
もちろん株価が上がればうれしい。でも、私が東京海上HDに期待していたのは、それだけではありません。保有している間、利益を出して、そこから配当金を払い続けてくれる。
さらに東京海上HDは増配を続けています。
だから含み損になっても、「まあ、持っていればいいか」と思っていました。
そんな東京海上HDから、今回飛び出してきたのが15分割と株主優待新設です。
私の記憶では、東京海上HDは株式分割について、それほど積極的ではない印象がありました。だから今回の発表には驚きました。しかも15分割。
これは単に株価の桁を小さくするという話ではないと思っています。
分割前なら、100株買うために70万円以上必要です。これが分割後なら、現在の株価を基準にすると5万円弱。
今まで、「東京海上、欲しいけど70万円はちょっと……」と思っていた人でも買えるようになります。新NISAで日本株を始めたばかりの人でも手が届きやすい。
若い人も買える。「とりあえず100株だけ」という買い方もできる。
東京海上HDが、個人投資家との付き合い方を大きく変えようとしているように私には見えました。
そして、まさかの株主優待まで新設
もうひとつ驚いたのが株主優待です。
発表された制度では、100株以上を3年以上継続保有することが条件。条件を満たすと、初回は7,500円相当の電子マネー等(3年長期保有で)。その翌年以降も100株以上を継続保有していれば、毎年2,500円相当がもらえるとのことです。
ここだけ見ると、「分割後に100株買う人、めちゃくちゃいいじゃない」と思います。だって理論上5万円ほどで100株買えて、それを長く持てば優待対象になるわけですから。
もちろん優待はうれしいです。もらえるものなら、ありがたくいただきます。
でも、私が東京海上HDに一番期待しているのは、やっぱり配当です。
東京海上HDは増配を続けています。今回の会社予想では、分割前換算で年間245.05円。私が買った頃よりも、さらに配当は増えています。これが私にはうれしい。
株を買うとき、私は時々こんなふうに考えます。
株を買うというのは、自分の分身をその会社に就職させるようなものじゃないか。
私は東京海上HDに自分の分身を送り込みました。私が働いて稼いだお金を使って、100株という分身を東京海上HDに就職させた。あとは、そこで働いてもらいます。東京海上HDには世界中で保険を売ってもらい、利益を出してもらう。
そして年に2回、「今期も働いてきましたよ」と、配当金という仕送りを送ってもらい、私はそれを受け取る。
なんだか、そう考えると株式投資って面白くないですか。
東京海上HDには、あと20年働いてもらいます
私は現在45歳。65歳になるまで、あと20年です。だから今のところ、東京海上HDを売るつもりはありません。あと20年、働いてもらおうと思っています。
年2回の仕送りを、20年間。単純に考えれば40回。もちろん20年間ずっと増配してくれる保証なんてありません。減配する年だってあるかもしれない。大きな災害が起こるかもしれないし、保険業界そのものが変わっているかもしれません。株価だってどうなるか分かりません。
今回の15分割が成功だったと言われるのか、それとも「あれはどうだったんだろう」と言われるのかも分かりません。
それでも、今のところ私は東京海上HDに働き続けてもらいたいと思っています。
配当が少しずつ増えて、「今年の仕送り、去年より増えてるな」なんて言いながら受け取れたら最高です。そして3年以上働いてくれたら、今度は優待まで送ってくれるらしい。
ずいぶん福利厚生のいい就職先になりました(笑)。
5万円の含み損から始まったけれど
振り返れば、東京海上HDへの投資は気持ちのいいスタートではありませんでした。旧NISAで持っていたKDDIを売却。決算期待で100株まで買い増し。そして決算後に株価が下がり、一時は約5万円の含み損。
投資のタイミングとして上手だったかと言われれば、胸を張れるものではありません。
でも、長期投資って、買った瞬間に正解かどうかを決めるものでもないと思うんです。
本当の答えが出るのは、ずっと先。今回、東京海上HDは15分割という大きな決断をして、さらに3年以上保有する株主に優待を出すことを決めました。会社側も、短期間だけ株を持つ人ではなく、長く付き合ってくれる株主を増やしたいのでしょう。
だったら私は、その話に乗ってみようと思います。
15分割後の株価がどうなるのかは分かりません。株主優待制度だって、20年間ずっと続く保証はありません。だから、優待だけを理由に持ち続けるつもりもありません。私が見たいのは、その先です。
東京海上HDがこれから20年間、どれだけ稼ぎ、どれだけ配当を株主に返してくれるのか。
2025年11月に就職させた私の分身には、まだまだ働いてもらいます。
私が65歳になるまで、あと20年。年に2回、「今期もお疲れさま」と言いながら、東京海上HDから届く仕送りを受け取っていきたいと思います。20年後、その仕送りはいくらになっているのでしょうね。
それを楽しみに、1,500株になる東京海上HDを、これからも持ち続けてみようと思います。

