投資を始めてしまってから、お金を使うときに「このお金を投資したら将来いくらになるだろう」と考える癖がついた人は、多いんじゃないだろうか。
もうこれは知識というより、魔力といったほうがいいのかも。
たとえば70万円。
家族旅行なら、今だと数日間いい感じに豪遊できるくらいの金額だ。
でも、この70万円をオルカンに入れて20年間運用すれば、年7%と仮定した単純な試算では約270万円になる。
投資家として考えれば、使わずに運用したくなる、物欲ではなく株欲は強い。
でも最近、そんな自分に別の問いが浮かぶようになった。
その20年間で、子どもは何歳になるんだろう。
お金には複利があるけど時間にはない
家族旅行なんて、お金があればいつでも行けると思っていた。
でも子供が成長していくのを間近で見ていると、あっという間に部活が始まり、あっという間に友達との予定が増え、もうすぐそこまで親と旅行することより自分の世界を優先するような感じがしている。
それは寂しいけれど、むしろ健全な成長なのだと思う。
そう考えると、家族全員で予定を合わせて旅行へ行き、一緒にご飯を食べ、同じ部屋で寝て、くだらないことで笑っている夏は、無限に続くものではない。
お金はあとから稼げるかもしれないし、投資すれば複利で増える可能性もあるけど、今年の子どもと過ごす夏を、この先続けることはたぶん無理。
投資をしていると「時間を味方につけろ」とよく言うけど、だったら家族との時間にも同じくらい敏感でいなくてはいけない。
老後のために今を削りすぎていないか
自分は長い間、未来のお金を増やすことを優先してきた。
本当にお金がなかったから、老後は不安でしかなく、躍起になって投資に回したので、余ったお金があれば投資するし、ボーナスが入れば「何を買おう」より「いくら投資できるだろう」と考えた。
それによって資産を築くことができたのだから、間違っていたとは思わない。
ただ、最近は少し怖くなることもある。
老後の安心を作るために、今しかできないことまで先送りしていないだろうか。
70万円を旅行に使えば、金融資産は70万円減る。
正直、投資を続けてきた自分には「もったいない」という感情もある。
でも70万円を投資して将来増えたとして、そのとき「あの夏、家族で旅行しておけばよかった」と思っても過去へ戻ることはできない。
子供だって、20年後は30代…私は70代…
誰が行くねん(‘ω’)ノ
ワンチャン、もう少し子供が年食えば、我々の老後の旅行についてくるかもしれないけど、その旅行の楽しさと子供の時に連れていく旅行の楽しさは全然違う。
お金を増やすことには夢中になるのに、時間が減っていることには案外気づかないものだ。
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人生にも「資産配分」が必要なのかもしれない
だからといって、「貯金や投資なんてやめて、今を楽しもう」と言いたいわけではない。
将来のお金は大切だし、老後に子どもへ迷惑をかけないためにも、資産形成はこれからも続けたいし、続けなきゃダメなくらいの資産だと思う。
ただ、投資で資産配分を考えるように、人生にも配分が必要なのだと思う。
未来の自分だけに100%投資するのではなく、今の自分や家族にも少し振り分ける。
旅行でもいいし、子どもとの体験でもいい。家族でちょっとおいしいものを食べるだけでもいい。
それは浪費ではなく、二度と買い直すことのできない時間へ分散投資するという考えに近いのかもしれない。
老後のために1000万円、2000万円、3000万円と積み上げることばかり考えてきたけれど、最近は資産残高とは別の残高も気になるようになった。
あと何回、子どもと夏休みを過ごせるのだろう。
お金は複利で増やせる。
子供との思い出も、複利で増やせる。
けど、思い出を作らなければ増やせるものも増やせないからね。

